仁王経板木

更新日:2021年06月30日

仁王経板木

指定期日

昭和62年3月30日

建立年代

南北朝時代

10枚

説明

仁王経版木(西明寺版)には嘉慶2年の銘がある。 版経の「仁王経」を摺写するための版木です。「仁王経」は鎮護国家を説く経典です。巻上、下の合計2巻で構成されており、版木は全部で11枚が制作されたようですが、今は1枚が失われ10枚が残っています。 法華経版木と同じく桜材を用いており、両面に文字が陽刻されています。大きさは縦25センチメートル、横84~93センチメートル、厚みが約2センチメートルとなり、法華経版木よりはやや小さめとなっています。 刊記は巻上に「奉施入江洲西明寺/嘉慶2年戊辰10月8日」とあり、嘉慶2年(1388)10月に西明寺へ施入されたものであることが記されています。どっしりとした文字の形や版式などから、春日版(奈良興福寺で開板し、春日大社に奉納された)を手本として開版したものであることがわかります。法華経版木とともに、近江における中世寺院の開版事業を知る好資料であるといえます。

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