木造大日如来坐像
指定期日
昭和25年8月29日
制作年代
平安時代
説明
大日如来は密教の世界では、宇宙の中心におられる仏で、如来の中の如来として、宝冠をいただき、手に環釧(かんせん)(腕輪)、胸に瓔珞(ようらく)をつけています。 勝楽寺の大日如来は目は優しく伏せ、左手の上に右手を重ね、両手の親指を合わせて静かに考える姿の仏像です。 像は檜の寄木造りで彫眼(ちょうがん)(眼を掘りひとみを墨や胡粉こふんで描いたもの)です。左右の眉から鼻に通る美しい線、やさしい口もと、ふっくらとした頬ほほに、円満な仏の慈悲の相があふれ、思わず頭の下がる思いがします。天冠台の下の一本一本の髪の毛や腕輪の細かい彫刻も優れ、衣紋線も美しく、きらびやかな宝冠や金色の後背も体色の黒によくマッチし、座りのよく安定した仏像で、平安時代(794~1192)後期の作といわれています。この仏は一説に佐々木導誉の念持仏(ねんじぶつ)(守り本尊)であったのではといわれています。
更新日:2021年06月30日